戦国の刀剣 後編

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前編に引き続き、東邦出版社から発売されている「ガチ甲胄合戦」より、戦国の刀剣についてのお話を抜粋。


後編では日本刀の製造方法について

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 日本刀の定義は和鋼(玉鋼など)を使用し古式による鍛刀方法で作られることが現行法によって決まっている。


日本刀は美術刀剣(美術品)として扱われ、都道府県の教育委員会が発行する刀剣登録書が付いたものであれば、だれでも所有できる。


したがって新しく作刀される日本刀も厳密には玉鋼など(和鋼)を用いた伝統的な製法によるものでないと、日本刀として登録することができない。


実はこの日本刀の製造法の定義(古式による鍛刀と玉鋼が材料)は、なんと幕末の頃、有名刀工の(水心子正秀)が研究し提唱した製法のことである。


では水心子正秀が提唱する日本刀の製法は、戦国時代の古刀と同様の製法であったのかというと、答えはノーである。


水心子正秀はどのような製法を提唱したかというと、玉鋼(たまはがね)を使用し、粘りのある芯鉄(しんがね)を造り同時に硬い皮鉄(かわがね)を造って、芯鉄を皮鉄で包むという製法だ。


芯鉄は粘りのある鉄で、硬いだけでは衝撃で折れやすいが、柔軟な芯を硬いもので包むことで折れず曲がらず良く斬れるを実行しようとしたのだ。


要するに柔軟性と硬さの両面を持ち合わせた高品質の刀を完成させようとした。あえて一言付け加えれば(玉鋼という限られた材料を工夫して)である。


ところで柔軟な芯を硬いもので包む方法(造り込み)は図のような方法がある。


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※図、造り込み


主な方法は、皮鉄(かわがね)でラッピングするように芯鉄(しんがね)をくるみ、熱しながら打ち伸ばす甲伏せ(こうぶせ)、芯鉄に熱した刃鉄(はがね)を取り付けて、表と裏の二つの皮鉄を1枚ずつくっつけて熱しながら伸ばしていく本三枚(ほんさんまい)、本三枚の鎬地や棟の部分を棟鉄(むねがね)を用意して熱して付ける四方詰め(しほうづめ)、熱した皮鉄(かわがね)をU字形に成形して芯鉄(しんがね)を入れ、熱しながら打ち伸ばすまくりなどである。  


戦乱がなくなって平和が訪れた江戸時代には粘りのある芯鉄を造り同時に硬い皮鉄(かわがね)を造って、芯鉄を皮鉄で包む造り込みが各地で頻繁に行われていた。


これは戦国時代まで豊富にあった南蛮鉄(輸入鉄)が鎖国により不足したことで、江戸時代には玉鋼が全国的に商品として流通したことなどがある。


玉鋼それ自体が江戸時代の産業製品ということだ。


玉鋼は均一質であり、各地の刀工が独自の研究で生み出した独特の鉄が無くなり、地肌も均一化されたものとなり、何よりも刀全体の炭素量が均一で硬くなって折れやすいという欠点が生まれた。


これを是正する為に、 粘りのある鉄を軸に硬い鋼を包み込む手法が行われ、劣化した商業用の国産品である玉鋼を使用する工夫が行われた。したがって、質は戦国時代の古刀より劣化しているということになる。


では、戦国時代の古刀が最高の質かというとそうではなく、むしろ戦国時代は大量生産の時代であり、粗悪な刀が束物として大量に戦場に運ばれてきたり中国大陸に輸出された時代だ。


もちろん、注文打ちと呼ばれる名のある武将から注文を受けて特別に制作した刀は上質のものである。


ただ、刀剣の専門家の多くは、鎌倉時代以降は日本刀の質が時代が下るにつれて低下しているとみなしている。



戦国時代やそれ以前の時代は南蛮鉄(輸入の鉄)や、地方の砂鉄を製鉄したものを主材料として使ったので地方により特色がある砂鉄が混じったりして、複数の鉄と炭素量の違う鉄が混合されたことによる地肌が変化に富んでいる。


戦国時代の古刀の多くは芯鉄と皮鉄を使う構造を有していない。



では戦国時代の古刀の作刀方法は?


古刀を切断して研究された結果の資料がいくつかある。


特に第二次世界大戦中に日本陸軍は日本刀の研究に熱心で、古刀を分析しようと試みている。


その結果によると戦国時代やそれ以前の刀には 様々な製作方法があり、その中で特に数種類の鋼材の練り合わせを一枚鍛えにし、これに焼き刃を行う技法が多かったようである。


これは柔らかい鉄と硬い鉄がしじまの様に混ざってる状態なので、柔軟性があり折れにくい構造であった。


したがって、前記したように複数の鉄と炭素量の違う鉄が混合されたことによる地肌が変化に富んでいる。


戦国時代の古刀には砂鉄や南蛮鉄以外にもスズや銅などが微量だが混じっていたり、刀工やその地域によって作刀方法が異なり、実際ある程度は解析できても完全によくわからないのが現状である。


*手法を解説した古文書も無く、*使われた鉄も完全に成分を解析するのが困難で、*再現ができないというのが実情だ。



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※図、戦国古刀断面
 


話をまとめると基本的には、例外も存在するが(芯鉄あり)で玉鋼が主材料が江戸時代の新刀以降の刀で、(芯鉄なし)の一枚鍛えで南蛮鉄や砂鉄など各種の鉄が混ざっているのが戦国時代の古刀ということになる。


例えば、刀の中心に刀工銘と天正**年と刻まれていて、中心尻を見て芯鉄が明らかに見て取れれば、これは偽物である可能性が高いということだ。


戦国時代の古刀はバランスや重量の面で非常に扱いやすく操作性がいい。


戦国時代の刀はメインウエポンではなかったし、いざという時のサブウエポンであったが、何度か敵と打ち合って酷い刃こぼれが生じたり、戦闘中に折れては話にならない。曲がってもいいから折れては命に関わる。


後世すなわち江戸時代の折れず曲がらず良く斬れるという観点とは違っていると思う。


鉄の甲冑を着けた相手に対して、良く斬れる刀をいくら期待しても無理というものである。


そんなことより、折れず使いやすく叩き打ったり突いたりするのに適した武器であることが一番であり、斬れるは二の次であったように思う。

公式HPはこちら
http://armoredsamuraibattle.web.fc2.com/index.html

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